「実家を相続したら、相続税ってかかるの?」——これは実家問題で最初に出てくる質問のひとつです。結論から言うと、多くのご家庭では相続税はかかりません。相続税には「基礎控除」という非課税枠があり、遺産の総額がそれ以下なら申告も納税も不要だからです。この記事では、いくらから相続税がかかるのか、実家がある場合の考え方を計算例つきで解説します。

相続税がかかるのは「基礎控除」を超えたとき

相続税の基礎控除は、次の式で計算します。

基礎控除額 = 3,000万円 + 600万円 × 法定相続人の数

  • 相続人が1人(子1人など)→ 3,600万円まで非課税
  • 相続人が2人(子2人など)→ 4,200万円まで非課税
  • 相続人が3人(配偶者+子2人など)→ 4,800万円まで非課税

遺産の総額(実家+預貯金+有価証券など-債務・葬式費用)がこの金額以下であれば、相続税はかからず、申告も原則不要です。実際に相続税がかかるのは相続全体の1割程度と言われており、「相続=必ず税金」ではありません。

実家はいくらとして計算される?

現金と違い、不動産の「値段」は評価方法が決まっています。

土地:路線価または倍率方式

市街地の土地は「路線価」(道路ごとに定められた1平方メートルあたりの価格)×面積で評価します。路線価が定められていない地域では、固定資産税評価額に一定の倍率をかける「倍率方式」を使います。一般に、評価額は実際の売買相場より低めになる傾向があります。

建物:固定資産税評価額

建物は固定資産税評価額をそのまま使います。毎年届く固定資産税の課税明細書で確認でき、築年数の古い実家では数十万〜数百万円程度になっていることも多いです。

計算例:福岡近郊の実家+預貯金のケース

例)相続人は子2人。遺産は実家(土地評価1,800万円+建物評価200万円)と預貯金1,500万円、合計3,500万円。

  • 基礎控除:3,000万円+600万円×2人=4,200万円
  • 遺産総額3,500万円 < 基礎控除4,200万円 → 相続税はかからない

一方、同じ家族構成で預貯金が3,000万円あれば遺産総額は5,000万円となり、基礎控除を超えた800万円が課税対象になります。実家そのものより、預貯金や保険を含めた「全体」で決まるのがポイントです。

基礎控除を超えそうなときに知っておくこと

  • 申告期限は10か月:相続開始を知った日の翌日から10か月以内に申告・納税が必要です
  • 特例で大きく減ることがある:配偶者の税額軽減や、同居していた自宅の評価を大幅に下げられる「小規模宅地等の特例」など、適用できれば税額がゼロになるケースもあります(ただし特例を使うには申告が必要です)
  • 評価は専門家で差が出る:土地の形状や接道条件によって評価を下げられる場合があり、税理士への相談が有効です

まとめ:まず「全体でいくらか」をつかむ

相続税の心配をする前に、実家の評価額と金融資産をざっくり合計し、基礎控除と比べてみてください。多くの場合はそこで安心できますし、超えそうな場合は早めに専門家へつなぐ判断ができます。

実家ラボでは、税理士など専門家との連携のもと、実家の評価や相続全体の整理をお手伝いしています。固定資産税の課税明細書が手元にあれば、概算の把握はすぐに始められます。

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