親が亡くなり、実家を相続したとき、「固定資産税は誰が払うのか」と疑問に思う方は多いです。
名義変更(相続登記)がまだ済んでいない状態でも、固定資産税の納税通知書は届きます。「誰が払うのか」「いつから払うのか」「払わなかったらどうなるのか」——こうした疑問にひとつずつお答えします。
固定資産税は「1月1日時点の所有者」に課税される
固定資産税は、毎年1月1日時点での不動産の所有者(登記名義人)に対して課税されます。これを「賦課期日」といいます。
つまり、年の途中で相続が発生した場合でも、その年の固定資産税はすでに亡くなった方(被相続人)に課税されています。
亡くなった年の固定資産税はどうなる?
被相続人が亡くなった年の固定資産税は、相続人が引き継いで納付する義務があります。未払いの税金は「相続債務」として扱われるため、相続人が支払わなければなりません。
相続放棄をした場合は、この納税義務も引き継がないことになりますが、管理責任は一定期間残る点に注意が必要です(詳しくは別記事「相続放棄のデメリットとは?」をご参照ください)。
名義変更前でも固定資産税は払い続ける必要がある
相続登記(名義変更)が完了していなくても、固定資産税の納税義務は相続人に移ります。
登記簿上の名義がまだ亡くなった方のままであっても、市区町村は「相続人代表者指定届」の提出を求め、代表者に納税通知書を送付します。
相続人が複数いる場合は?
相続人が複数いる場合、不動産は相続人全員の「共有財産」となります。固定資産税は相続人全員が連帯して納付する義務を負いますが、実務上は代表者がまとめて支払うことが一般的です。
「誰が払うか」を明確に決めておかないと、後々トラブルになることがあります。遺産分割協議の中で、固定資産税の負担についても話し合っておくことをおすすめします。
名義変更をしないと起こる問題
2024年4月から相続登記が義務化された
2024年4月1日から、不動産の相続登記が法律で義務化されました。相続を知った日から3年以内に登記を行わないと、10万円以下の過料が科される可能性があります。
「いつかやろう」と後回しにしていると、知らないうちに期限を過ぎてしまいます。早めの対応が必要です。
固定資産税の納税通知書が届かなくなるリスク
名義変更が長期間放置されると、市区町村が相続人を特定できず、納税通知書が届かないケースがあります。その間も税金は発生し続けており、気づいたときには延滞税が積み重なっていた、という事態になりかねません。
売却・活用の手続きが進められない
不動産を売却したり、賃貸・民泊として活用したりするためには、名義変更が完了していることが前提となります。名義変更を後回しにすると、いざ動こうと思ったときに手続きが止まってしまいます。
固定資産税の金額はどうやって確認する?
固定資産税の金額は、以下の方法で確認できます。
① 納税通知書を確認する 毎年4〜6月頃に市区町村から送付される納税通知書に、課税明細書が同封されています。土地・建物それぞれの評価額と税額が記載されています。
② 固定資産税評価証明書を取得する 市区町村の窓口で「固定資産税評価証明書」を取得することで、評価額と税額を確認できます。相続人であれば取得可能です。
③ 固定資産課税台帳を閲覧する 市区町村の窓口で、固定資産課税台帳の閲覧申請をすることもできます。
固定資産税を払い続けるのが負担な場合は
実家を相続したものの、誰も住んでいない状態で固定資産税だけ払い続けるのは、長期的に見ると大きな負担です。
以下のような選択肢を検討することで、負担を軽減できる場合があります。
| 選択肢 | 固定資産税への影響 |
|---|---|
| 売却する | 売却後は納税義務がなくなる |
| 賃貸に出す | 家賃収入で税負担をカバーできる |
| 民泊として活用する | 収益で税負担をカバーできる |
| 解体して更地にする | 住宅用地の特例が外れ税額が上がる場合も |
| 自治体に寄付・譲渡する | 条件を満たせば手放せる場合がある |
解体して更地にする場合は、前述の「住宅用地の特例」が外れて固定資産税が増額する可能性があります。解体前に必ず税額のシミュレーションをしておきましょう。
まとめ:名義変更は早めに・税金の確認も忘れずに
相続した家の固定資産税について、ポイントをまとめます。
- 固定資産税は1月1日時点の所有者に課税される
- 名義変更前でも、相続人に納税義務が移る
- 相続人が複数いる場合は、代表者がまとめて払うことが多い
- 2024年4月から相続登記が義務化(3年以内・未対応は過料の可能性)
- 名義変更が済んでいないと、売却・活用の手続きが進められない
固定資産税は「払い続けるもの」ではなく、「どう解決するかを考えるきっかけ」でもあります。実家をこれからどうするかを考える上で、税負担の整理は最初の一歩です。
実家ラボでは、固定資産税の負担に悩む方からのご相談もお受けしています。売却・賃貸・民泊活用など、負担を解消しながら実家を活かす方法を一緒に考えます。名義変更の手続きサポートも、司法書士と連携して対応可能です。まずはお気軽にご相談ください。
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