「実家を売りたくないけど、空き家のままにしておくのも不安」という方にとって、賃貸に出すことは有力な選択肢のひとつです。

ただし、賃貸経営には思わぬ手間やコストが伴うこともあります。「とりあえず貸せばいい」と軽く考えていると、後から後悔することになりかねません。

この記事では、空き家を賃貸に出すメリット・デメリットと、管理の手間の実態を正直に解説します。


空き家を賃貸に出す5つのメリット

1. 毎月安定した家賃収入が得られる

最大のメリットは、毎月継続的な収入が得られることです。固定資産税や管理費を家賃収入でまかなえれば、実質的な負担をゼロに近づけることができます。

2. 実家を手放さずに済む

売却と違い、所有権は手元に残ります。将来的に「やっぱり自分たちで使いたい」「売却に切り替えたい」という場合も、賃貸契約が終了すれば選択肢を変えることができます。

3. 建物の劣化を防げる

人が住むことで定期的に換気・清掃が行われ、空き家特有の急激な劣化を防ぐことができます。誰も住んでいない空き家は想像以上のスピードで傷みます。

4. 固定資産税の軽減措置が継続される

住宅が建っている土地は、住宅用地の特例によって固定資産税が軽減されています。解体して更地にすると税額が最大6倍になる場合がありますが、賃貸住宅として活用していれば軽減措置が継続されます。

5. 自治体の補助金が使えるケースがある

福岡市の「地域貢献等空き家活用補助金」など、空き家を賃貸・活用する際に補助金が使える制度もあります。リフォーム費用の一部を補助してもらえれば、初期コストを抑えられます。


空き家を賃貸に出す5つのデメリット

1. 入居前のリフォーム費用がかかる

築年数が経った実家は、賃貸に出す前にリフォームが必要なことがほとんどです。水回り(キッチン・浴室・トイレ)・壁紙・床の張り替えなど、物件の状態によっては100〜300万円以上かかることもあります。

リフォーム費用を回収するまでに何年かかるかを事前にシミュレーションしておくことが大切です。

2. 管理の手間が継続的にかかる

入居者の募集・契約・家賃の管理・クレーム対応・退去時の原状回復確認など、賃貸経営には継続的な手間がかかります。自主管理の場合は特に、入居者からの連絡に随時対応する必要があります。

3. 管理会社への委託コストがかかる

手間を省くために管理会社に委託する場合、一般的に家賃の5〜10%程度の管理費が毎月かかります。家賃収入から管理費を引いた実質的な収入を計算した上で判断することが必要です。

4. 退去後の原状回復費用が思った以上にかかる

入居者が退去した後、壁・床・設備の修繕が必要になります。長期入居の場合は自然劣化の部分は貸主負担になるため、退去のたびにまとまった費用が発生します。

5. 入居者が見つからないリスクがある

特に郊外・農村部の築古物件は、入居者が見つかりにくいことがあります。空室期間が長引けば収入ゼロのまま維持費だけがかかり続けます。地域の賃貸需要を事前に確認しておくことが重要です。


管理の手間、実際はどのくらい?

自主管理の場合 入居者募集から契約・管理・退去対応まですべて自分で行います。入居中は比較的手間が少ない場合もありますが、トラブル発生時や退去時には急な対応が必要になります。遠方に住んでいる場合は特に負担が大きくなります。

管理会社に委託する場合 家賃の集金・クレーム対応・退去立会いなどを管理会社が代行してくれます。オーナーの手間は大幅に減りますが、管理費(家賃の5〜10%)が毎月かかります。大きなトラブルや修繕の判断は、最終的にオーナーが行う必要があります。

賃貸管理のコスト試算例 月額家賃6万円の物件を管理会社に委託した場合:

  • 月額管理費:6,000円(10%)
  • 年間管理費:72,000円
  • 固定資産税:10万円程度(物件による)
  • 年間の手残り収入:72万円 − 7.2万円 − 10万円 = 約54万円

賃貸に向いている物件・向いていない物件

賃貸に向いている賃貸に向いていない
立地都市部・駅近・大学や病院が近い郊外・農村部・交通不便
建物の状態比較的状態が良い・リフォーム済み老朽化が激しい・修繕費大
築年数新耐震基準(昭和57年以降)旧耐震基準(昭和56年以前)
間取り現代のニーズに合った間取り広すぎる・使いにくい間取り

賃貸以外の選択肢も検討してみる

「普通の賃貸は難しそう」という場合でも、民泊や地域活用という選択肢があります。

民泊(短期賃貸) 旅行者に短期間貸し出す形で、稼働率次第では通常の賃貸より高い収益が見込めます。特に福岡・九州エリアは観光需要が高く、古民家や一戸建ての民泊需要も旺盛です。

地域貢献施設として活用 子ども食堂・地域交流スペースなどとして活用することで、福岡市の補助金(最大250万円)が利用できるケースもあります。


まとめ:賃貸は「収入を得ながら家を残す」選択肢

空き家を賃貸に出すことは、毎月の収入を得ながら実家を手放さずに済む有効な選択肢です。ただし、初期リフォーム費用・管理コスト・空室リスクを事前に把握した上で判断することが大切です。

向いているケース向いていないケース
将来戻る可能性がある入居者が見つかりにくい立地
建物の状態が比較的良好老朽化が激しくリフォーム費大
賃貸需要がある地域管理の手間を負えない
毎月の収入が欲しい早くまとまった現金が必要

「賃貸がいいか、売却がいいか、民泊がいいか」——答えは物件・立地・家族の状況によって変わります。まず専門家に相談して、現実的な選択肢を整理することから始めましょう。


実家ラボでは、賃貸・売却・民泊活用すべての選択肢を視野に入れながら、福岡・九州エリアの実家問題をサポートしています。「賃貸に出せるか確認したい」「どの選択肢が合っているか迷っている」という方も、ぜひお気軽にご相談ください。

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