「とりあえず今は何もしなくていいか」と、実家を空き家のままにしているご家族は少なくありません。

思い出が詰まった家をすぐに手放せない気持ちは、とても自然なことです。しかし、空き家を放置し続けることには、知っておかないと後悔するリスクが複数あります。

この記事では、空き家を放置した場合に起こりうる問題と、今からできる対処法を分かりやすく解説します。


空き家の放置で起こる6つのリスク

1. 建物の劣化が急速に進む

人が住んでいない家は、想像以上のスピードで傷みます。

定期的な換気や掃除がされないと、湿気がこもりカビや腐食が発生します。雨漏りが放置されれば構造部分にまでダメージが広がり、修繕費用が膨らみます。庭木が伸び放題になれば、近隣への越境問題にも発展します。

「数年後に売ろう」と思っていても、放置期間が長くなるほど売却価格が下がり、場合によっては解体費用だけがかかる物件になってしまうこともあります。

2. 固定資産税が最大6倍になる可能性がある

空き家を放置した結果、市区町村から「特定空き家」に指定されると、固定資産税の優遇措置が外れ、税額が最大6倍になります。

通常、住宅が建っている土地は「住宅用地の特例」によって固定資産税が軽減されています。しかし特定空き家に指定されると、この特例が適用されなくなります。維持費の負担が突然跳ね上がることになるため、注意が必要です。

3. 特定空き家・管理不全空き家に指定されるリスク

2023年に改正された「空き家対策特別措置法」により、行政が空き家に介入できる範囲が広がりました。

従来の「特定空き家(倒壊の危険がある状態)」に加え、新たに「管理不全空き家」という区分が設けられました。これは、倒壊の危険がなくても管理が不十分で放置が続く空き家が対象になります。

指定されると、行政から改善の勧告・命令が届き、それでも対応しない場合は行政代執行(強制解体)が行われ、その費用が所有者に請求されます。

4. 不法侵入・犯罪の温床になる

空き家は不法侵入や不法投棄の標的になりやすい傾向があります。管理されていない家に人が入り込み、ゴミを捨てられたり、場合によっては放火のリスクもあります。

近隣住民からのクレームに発展するケースもあり、地域とのトラブルを避けるためにも定期的な管理が欠かせません。

5. 相続人全員に管理責任がある

空き家の管理責任は、名義人(所有者)にあります。相続が発生しているにもかかわらず名義変更をしていない場合、相続人全員が共有で管理責任を負います。

2024年4月から相続登記が義務化されたため、名義変更を放置していると過料(罰則)の対象になる可能性もあります。

6. 売却・活用の選択肢が狭まる

空き家を放置するほど、将来の選択肢が減っていきます。

建物の劣化が進めば買い手がつきにくくなり、売却価格が下がります。リフォームして賃貸に出そうとしても、修繕費が想定以上にかかることもあります。「動けるうちに動く」ことが、最終的に損をしない近道です。


空き家を放置してしまう主な理由

多くのご家族が、以下のような理由で空き家を放置してしまいます。

  • **「いつか自分が住むかもしれない」**と思っている
  • **「片付けが大変で手をつけられない」**と感じている
  • **「どこに相談すればいいか分からない」**という状況
  • **「きょうだいと意見が合わない」**ため決断できない
  • **「思い出があって手放せない」**という感情的な葛藤

これらはどれも理解できる理由です。しかし、問題は先送りにするほど深刻になる傾向があります。


今からできる4つの対処法

① まず現状を把握する

実家の名義・建物の状態・固定資産税の金額・ローンや抵当権の有無を確認します。「どんな状態にあるか」を把握するだけでも、次の一手が見えてきます。

② 定期的な管理を誰かに頼む

すぐに売却や活用が難しい場合でも、定期的な管理は欠かせません。空き家管理サービスを利用すれば、月数千円〜1万円程度で換気・清掃・外観確認などを代行してもらえます。

③ 家族で方向性を話し合う

「売る・貸す・活かす・解体する」のどれを選ぶかは、家族全員の合意が必要です。まずは一度、きょうだいや家族が集まれる場を設けることから始めましょう。意見が合わない場合でも、第三者に間に入ってもらうことで話が進みやすくなります。

④ 専門家に相談する

空き家の活用や売却には、不動産・相続・リフォーム・民泊など複数の専門知識が必要です。「何から始めればいいか分からない」という段階でも、地域の事情に詳しい専門家に相談することで、現実的な選択肢が見えてきます。


「放置」以外の選択肢まとめ

空き家をそのままにしておく以外に、どんな選択肢があるかを整理しました。

選択肢向いているケース主なメリット
売却する管理が難しい・現金が必要まとまった資金が入る・管理から解放
賃貸に出す将来戻る可能性がある毎月の収入・家を残せる
民泊として活用立地が良い・収益化したい高い収益性・思い出を残せる
リフォームして住む自分や家族が住む予定がある家族のつながりを守れる
解体して土地活用建物が老朽化・土地に需要がある維持費削減・土地として活用

「まだ決められない」段階でも、選択肢を知っておくだけで心の余裕が生まれます。


まとめ:空き家は「時間が経つほど選択肢が減る」

空き家の放置は、じわじわとリスクが積み重なっていく問題です。固定資産税の増加・建物の劣化・行政からの指導——いずれも、早めに動くことで避けられることばかりです。

「今すぐ売らなくていい」「まだ決めなくていい」という状況でも、現状を把握して選択肢を知っておくことが大切です。


実家ラボでは、福岡・九州エリアで空き家に関するご相談をお受けしています。「どうすればいいか分からない」「とりあえず話を聞いてほしい」という段階でも、ぜひお気軽にご連絡ください。売る・貸す・活かすすべての選択肢を視野に、ご家族の状況に合った答えを一緒に考えます。

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